柔道の世界選手権(ブダペスト)女子52キロ級で自身5度目の優勝を果たした阿部詩(パーク24)が16日、羽田空港に帰国した。2回戦で敗れた昨夏パリ五輪の雪辱を果たし「先の見えない時期もあったけど、乗り越えてもう一度世界一になれたのは、たくさ…
柔道の世界選手権(ブダペスト)女子52キロ級で自身5度目の優勝を果たした阿部詩(パーク24)が16日、羽田空港に帰国した。2回戦で敗れた昨夏パリ五輪の雪辱を果たし「先の見えない時期もあったけど、乗り越えてもう一度世界一になれたのは、たくさんの方々のおかげ」と、笑顔を見せた。
決勝では、ディストリア・クラスニチ(コソボ)から背負い投げで一本勝ち。5度目の優勝も、五輪2連覇を逃した昨夏の経験を経て「負けがあったからこそ、今回はモチベーションも高く優勝できた大会でもあった。今までの優勝とは違った安堵感、達成感はありました」。兄で男子66キロ級の五輪王者、一二三(パーク24)は準々決勝で敗れはしたが銅メダル。妹の復活に「あの悔しさ、普通はもう柔道をしたくないと思う。4年に1回の五輪に人生をかけているので。そこから復帰して、強い選手に勝っての優勝。うれしく思います」と、賛辞を贈った。
返り咲いた世界女王。「自分の中で一歩を踏み出さないと、前を向ける気がしなかった」という再起から「いったんは、最高のスタートと言っていいと思います」と阿部詩。その中で「やっぱり私自身は、五輪で優勝したい気持ちがすごく強いので。この結果に満足せず、さらに強くなりたい」と語った。休息をはさみ、次戦はグランドスラム東京(12月、東京体育館)を予定しているという。「そこでしっかりと優勝して、また次につなげていきたい」と見据えた。