死球後、左手で自軍ベンチを制す ドジャース・大谷翔平投手の“紳士的”な行動に、敵軍放送局も感心したようだ。19日(日本時間20日)の本拠地でのパドレス戦では、9回にロベルト・スアレス投手の99.8マイル(約160キロ)直球が背中に直撃。不穏…
死球後、左手で自軍ベンチを制す
ドジャース・大谷翔平投手の“紳士的”な行動に、敵軍放送局も感心したようだ。19日(日本時間20日)の本拠地でのパドレス戦では、9回にロベルト・スアレス投手の99.8マイル(約160キロ)直球が背中に直撃。不穏な空気が漂う中、大谷は自軍ベンチをなだめるように左手で制し、一塁へ向かった。パドレス放送局「Padres Television Network」からは「大切なこと」と唸るような言葉が発せられた。
大谷が死球を受ける直前の9回、パドレスのタティスJr.が死球を受け両軍が一触即発の事態に。ドジャースもパドレスも指揮官が退場処分となった。警告試合が発せられた中、その裏に大谷に160キロ直球がぶつけられた。実況を務めるドン・オーシロ氏は「オオタニに死球だ。スアレスが当てました。オオタニは一塁に向かいながら、ベンチにそのままとどまるよう伝えます」と伝えた。
“報復”とも感じられる1球に、解説を務めたトニー・グウィンJr.氏は「スアレスは退場かもしれません」。これに・オーシロ氏は「間違いないですね」と応じ「警告が両チームに出され、オオタニが死球を受けました。パドレスが誰かに当てるとしたら、彼だったでしょう」と続けた。
さらに、審判がスアレスの退場を告げると「ここまでです。彼は退場です」と説明。カウント3-0から捕手の構えとは大きく異なるゾーンへの1球に、グウィンJr.氏は「カウント3-0で、高めの球……肩甲骨のあたり。すでに警告が出されていました。先日、警告が出されて、次の警告まで3、4イニング空いた時とは違って、今回は1イニングのうちに起きました」と退場は当然と言わんばかりに解説した。
その後の大谷の行動をオーシロ氏は「オオタニはすぐさま自軍ベンチの方を見て、ベンチもなんとなく彼の方を見ていました。彼はベンチに、来るなという合図をしました」と説明。怒りを示してもおかしくない状況で笑顔すら見せ、相手一塁手と談笑する場面もあった。
これにはグウィンJr.氏も「これを言わせてください。こういう事態が起きた時に、大切なことだと思うので。関係した選手たちがエスカレートして、事態がより大変な状況になりました。オオタニがただ仲間に来るなという合図をしたことで、もしくはタティスが死球を当てられるたびに静かに塁に出ていることで、こうした状況が収拾できなくなるほど悪化していかずに済んでいます」と感心しきりだった。
一夜明けて20日(同21日)の本拠地でのナショナルズ戦は右前適時打を放ち、2四球を選んで3出塁。死球の影響を感じさせないプレーを見せた。(Full-Count編集部)