英チャンピオンシップ(2部相当)、ブラックバーンの日本代表FW大橋祐紀(28)が25日、チームへの合流に向けて羽田空港より出発した。欧州1年目の昨季は負傷離脱した時期もあったが、リーグ戦36試合9ゴール。迎える新シーズンに向け「(去年の)…

 英チャンピオンシップ(2部相当)、ブラックバーンの日本代表FW大橋祐紀(28)が25日、チームへの合流に向けて羽田空港より出発した。欧州1年目の昨季は負傷離脱した時期もあったが、リーグ戦36試合9ゴール。迎える新シーズンに向け「(去年の)数字には満足していないので、1年を通じて結果を残せるストライカーになりたい。去年は1年目にしてはよかった、と(周囲は)言ってくださっていたと思うので、今年は関係ない。2年目が大事、だと思いますし、そこが本当の実力になると思う」と決意を新たにした。

 近年、日本人選手が増加している英チャンピオンシップで、昨季はリーズのプレミア昇格に貢献した日本代表MF田中碧とともに、大きなインパクトを残した大橋。それでも6月には日本代表として先発出場したアジア最終予選のオーストラリア戦(5日)なども含め「自分はまだまだ、と感じる部分が多くありました。海外だとまだルーキーだと思っているので、全部のベースを底上げしながら、活躍して名をとどろかせるようなプレーヤーになりたい」と話した。

 Jリーグでは23年に湘南で13ゴール、24年は広島で11ゴール(シーズン途中にブラックバーンへ移籍)、ブラックバーンでも9ゴールとコンスタントにゴールという結果を残してきた。それでも「イングランドの選手よりは身長(181センチ)もないですし、ヘディングで勝てないことも多い。その中で簡単に(パスを)はたいたり、もらう位置だったりをアジャストしながらプレーしてきた。ただ、そういったものには全然満足していない。フィジカル的にも勝っていきたいし、何でもできることが理想ですけど、突出したものを身につけたい、というのが課題ですし、目標です」と話した。

 突出した能力の理想は、やはり得点力だ。大橋が名前を挙げたのは、かつてバルセロナやアトレチコなど欧州トップで活躍し、現在も米インテルマイアミでクラブW杯に出場中の名ストライカーだった。「インテルマイアミのスアレス選手が、(パルメイラス戦で)ひとりで決めていたと思うんですけど、ああいったプレーヤーが理想型かなと思います」。中盤でパスを受け、相手DF2人の間を突破し、さらに迫り来るDFを鋭い切り返しでかわして“3人抜き”のゴールを決めた38歳の元ウルグアイ代表FW。チームの中で生かされるだけではなく、時に個の力でゴールをこじ開ける―。そんなプレーに刺激を受けた。

 日本代表ではFW上田綺世や、町野修斗らとポジションを争う。6月の代表では湘南時代に2トップを組んだこともある町野とともに招集され「一緒にプレーさせてもらってうれしかったし、刺激ももらいました。シュートだったりは見ていても懐かしい、うまいな、と思いました」と振り返ったが、ラスト1年はFWの限られた席を争うことになる。来年に控えるW杯に向け「自分はまだまだ、そんなことを言える立場じゃないですけど、日本を引っ張っていけるような選手になりたい。湘南から広島に移籍させてもらったときは、イングランドリーグに挑戦するなんて考えてもいなかった。何があるかわからない世界、というのはサッカーの魅力だと思います。クラブで結果を残し続けて、代表でも結果を残せる選手になることが、W杯にもつながると信じています」とうなずいた大橋。イングランドでのさらなる飛躍を誓い、W杯行きのチケットもかかった戦いへと向かった。