新型コロナウイルスへの感染を恐れて休場を申し出たが拒まれ、引退に追い込まれたとして大相撲の元琴貫鉄の柳原大将さん(27)…

新型コロナウイルスへの感染を恐れて休場を申し出たが拒まれ、引退に追い込まれたとして大相撲の元琴貫鉄の柳原大将さん(27)が日本相撲協会などに計約508万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、千葉地裁松戸支部で言い渡された。同地裁は原告側の請求をいずれも棄却した。

裁判が始まったのは2年前の23年5月。持病の不整脈を抱えた柳原さんは新型コロナ感染への不安が高まったとして、21年初場所の休場を申し出た。ところが同協会から「コロナが怖くて休場は認められない」などと拒まれ、さらに師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)から「出るか、辞めるかしかない」と2択を迫られたと主張。命の危険を冒してまで続けることはできないと引退を余儀なくされたとして、慰謝料などを求めて訴訟を起こした。

この日の判決で同地裁は、柳原さんの引退について同協会や佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)による対応に不当があったとは認められず「引退が既定路線となっていた原告(=柳原さん)との間で、原告の希望する形での休場は困難であり、採り得る休場方法を説明して原告に委ねた」などと指摘。同親方が傷んだ肉を食べるように強要があったとの訴えを認めず、さらに厳しい稽古を装った私的な制裁が「かわいがり」として放置されていたという主張にも「裏付ける客観的な証拠はない」と指摘した。

判決後に柳原さんは自身のX(旧ツイッター)で「今回の裁判、客観的証拠が不十分として全ての内容が棄却(負け)されました。

控訴についてはもう少し弁護士と考えて上に上げるか決めようと思います」と投稿した。一方で佐渡ケ嶽親方は同協会を通じて「事実が事実として認められて、ホッとしている」とコメントした。