今年の高校生はプロ志望が例年より少ない。大学、社会人行きを決めた有力選手が多いためだ。その中で有望なドラフト候補40人を…

今年の高校生はプロ志望が例年より少ない。大学、社会人行きを決めた有力選手が多いためだ。その中で有望なドラフト候補40人をランキング形式で紹介しよう。最後は10位から1位だ。(志望届を出さないことを表明した選手は除外している)

夏前で評価を高めた本格派右腕とスラッガーたち

中西浩平(豊川)

10位 中西 浩平投手(豊川)

182センチ75キロ 右投げ右打ち
直球の威力:A
投球フォーム:C
制球力:C
変化球:A
将来性:A
環境適応力:B
ドラフト予想:中位

 今年、最速150キロに到達した本格派右腕。指にかかった時のストレートは強烈なものがあり、130キロ中盤のスライダー、フォークの精度も非常に高い。マインドの強さも評価されている。東海大会では制球を乱してしまったが、フォーム改善に取り組み、夏では春以上の投球を見せていきたい。

9位 藤井 健翔内野手(浦和学院)

182センチ100キロ 右投げ右打ち
長打力:S
巧打力:B
守備力:B
走力:C
将来性:A
環境適応力:B
指名順位:中位

 今年の高校生スラッガーでは、No.1の実力を誇る逸材。春季埼玉県大会では3本塁打を放ち、飛距離もスタンド上段に届いた。高校通算本塁打は35本に到達し、右中間への本塁打も増えている。三塁守備も上達し、強肩で際どいプレーをアウトにできるようになった。密着マークする球団も増えており、この夏は甲子園出場に導く一打を打つことができるか。

8位 藤川 敦也投手(延岡学園)

183センチ87キロ 右投げ右打ち
直球の威力:A
投球フォーム:B
制球力:B
変化球:B
将来性:A
環境適応力:B
ドラフト予想:中位

 最終学年になって実戦力が高まった最速153キロ右腕。140キロ後半の速球を両サイド、高め、低めに投げ分けができるようになり、変化球もスライダー、縦のスライダー、カーブを器用に操り、打者を封じる。走者が溜まった時や、左打者と対戦時の制球力が高まれば、もっと被打率が低くなり、無双の投球が期待できそうだ。

7位 早瀬 朔投手(神村学園)

185センチ78キロ 右投げ左打ち
直球の威力:A
投球フォーム:A
制球力:B
変化球:B
将来性:A
環境適応力:B
ドラフト予想:中位

 昨夏甲子園の大社戦で勝利に導くロングリリーフを披露した本格派右腕は、最速150キロを投げ込むまでに成長。長い腕を生かしたフォームから繰り出す直球は角度があり、打ちにくさがある。球質もよく、将来は常時150キロ台の速球を投げられる可能性がある。変化球はスライダーの切れ味が素晴らしい。基礎能力も高く、夏の鹿児島大会の活躍を見せ、上位指名に近づけていきたい。

6位 今岡 拓夢内野手(神村学園)

180センチ82キロ 右投げ右打ち
長打力:A
巧打力:A
守備力:A
走力:B
将来性:A
環境適応力:B
ドラフト予想:中位

 1年夏から公式戦で活躍を見せてきた大型遊撃手。甘く入れば、しっかりと本塁打にできるパワーと打撃技術は秀逸で、守備もスピーディな動きが光る。毎年ドラフト戦線で人気の大型遊撃手枠では一番手に入る選手だ。基礎体力も非常に高く、高卒遊撃手が少ない球団にとっては人気株になる選手だろう。

1位は競合の可能性を持った剛腕!

石垣元気投手(健大高崎)

5位 大栄 利哉捕手(学法石川)

176センチ81キロ 右投げ左打ち
長打力:B
巧打力:A
守備力:A
走力:B
将来性:B
環境適応力:B
指名順位:中位

 昨秋から東北地区を代表する捕手として知られていたが、今年4月の高校日本代表の候補合宿で、攻守ともに一歩抜けたパフォーマンスを発揮。超強肩捕手として評価を高めた。今年は高校以外のカテゴリーを見ても、捕手のドラフト候補は少なく、人気の選手になりそうだ。福島大会、東北大会のパフォーマンスを見ると少し粗さが見えた。夏では攻守ともに冴えたパフォーマンスを発揮できるか。

4位 奥村 頼人投手(横浜)

179センチ82キロ 左投げ左打ち
直球の威力:B
投球フォーム:A
制球力:B
変化球:A
将来性:A
環境適応力:B
ドラフト予想:中位

 センバツ準々決勝の西日本短大付戦で、イマキュレートイニング(三者連続三球三振)を達成。14.1回を投げ、14奪三振を記録した。140キロ中盤の速球、チェンジアップで翻弄する投球は、今年の高校生左腕の中でも上位。進路については明言していないが、高卒プロ志望ならば、投手としての器も大きく、パワーピッチャーとして活躍できる可能性は十分に持っている。夏の大会で打者を圧倒する投球を見せてほしい。

3位 吉川 陽大投手(仙台育英)

175センチ70キロ 左投左打
直球の威力:B
投球フォーム:A
制球力:A
変化球:A
将来性:A
環境適応力:B
ドラフト予想:中位

 今年の高校生左腕では最も変化球の精度が高い左腕。特に130キロを超えるカットボール、スライダーで三振を量産する。四球も少なく、三振が奪えるという理想的な投球をしている。今年の高校生左腕では最も計算が立つ投手であり、フォームもしなやか。まだまだ球速アップが期待できる。

2位 森 陽樹投手(大阪桐蔭)

190センチ88キロ 右投げ右打ち
直球の威力:A
投球フォーム:B
制球力:C
変化球:B
将来性:S
環境適応力:B
ドラフト予想:上位

 今年の公式戦での内容を見ると、潜在能力を発揮できていない。ハマった時のパフォーマンスは凄まじく、常時140キロ後半の速球、130キロ後半のフォークで奪三振ショーを見せる。ただ、春季近畿大会の東洋大姫路戦でリリーフで打ち込まれたように、公式戦での内容はイマイチ。森の潜在能力の高さからすれば、物足りないという声が聞かれる。プロの世界では、健大高崎・石垣元気以上のパフォーマンスを見せる可能性を持った剛腕で、スカウトは結果よりも、プロの世界で化ける可能性を持って評価しているのではないか。今年のドラフト市場は大学生が人気だが、将来のエース候補として上位指名を狙える逸材だと評価する。

1位 石垣 元気投手(健大高崎)

178センチ78キロ 右投げ左打ち
直球の威力:S
投球フォーム:A
制球力:B
変化球:A
将来性:A
環境適応力:A
ドラフト予想:1位

 秋から順調に成長を見せてきた剛腕。センバツではフォーク系統がレベルアップし、関東大会では緩急を使った投球も披露した。どの試合でも常時150キロ中盤の速球、高速フォークで圧倒する投球を見せる。目的意識を持って練習に取り組んで、意識の高さは、プロで大きく化ける要素になるだろう。大きな怪我もないのも魅力。大学生の速球投手に負けていない力があり、4年後には一軍でもローテーション投手、もしくはセットアッパー的な役割で活躍できる姿が想像できる。この夏は強烈なインパクトを残す投球を見せれば、1位競合もありうるだろう。